フランスとインドの意外な関係性

フランスとインドの意外な関係性

アンディエンヌとも呼ばれるプロヴァンスのプリント生地。さまざまなデザインがある中、伝統柄に分類されるモチーフについて「なるほどそうだったのか」のお話を。

 

今回は、フランスが好き。でも、それほど精通はしていない。ほかの国も気になるから。
だけど。やっぱり!エレガントでうっとりさせられちゃう、たまに憎ったらしいフランスは素敵すぎる。文化や生活スタイルを吸収して私も人生を豊かに過ごしたいなぁ。と思っている e がお伝えします。

フランスの伝統柄だというけれど?

ずいぶんと以前。フランスのステキな布のお店があるからと母に誘われ訪れたデパートのお店。
なんでも「セミ」をモチーフにした柄でフランスの伝統柄なんだそう。ほかにも、ペイズリーなどがあしらわれた大人っぽい、落ち着きを感じる柄の布を使ったテーブルクロスやポーチ、カーテンやシャツまで、美しくステキな布製品の数々が並んでいました。
たしかに、フランスっぽい。でも母のときめきとは裏腹に、なんだか「私の思う明るいフランスのイメージとは別のもの」という、良いものなのだけれど新鮮なときめきを感じることが出来なかった思い出。憧れのフランス柄なのに。
なぜときめかなかったのかと言うと。たぶん、その時の私はポップで明るいフランスを求めていたから。全くもって個人の好みの問題が大きかったのだと思います。ただ、素敵だとは思うけれど、どこか新鮮味がない。と感じていたのでしょう。
この「新鮮味がない」と感じた理由がずいぶん経ってようやくわかったのでした。

インドからやって来た南フランス生まれの布

あの時出合ったコットンプリントや、こちらのように伝統的なペイズリー柄などがプリントされた布は、アンディエンヌと言われています。
アンディエンヌ。フランス語に詳しくない私には、カタカナ表記や耳で聞くとピンと来なかったのですが、アルファベット表記をよく見てみると「indienne」
そう、インド。アンディエンヌは「インドの」ということで元は「インド更紗」を指すようです。
ルイ14世の時代(17世紀後半ごろ)マルセイユ港にインドから伝わったインド更紗(アンディエンヌ)が、のちに伝わった染織技術により、フランス国内でもインド更紗の模造品が作られるようになります。そして独自の発展を遂げ、プロヴァンスのプリント生地「アンディエンヌ」が生まれたそうです。(南プロヴァンスの「アンディエンヌ」は後に「ジュイ更紗」へと発展していきます)

アンディエンヌとの出会いで感じたこと

何を隠そう、私はインドも大好き。そしてアジア人。「新鮮味がない」と感じてしまったのは、おそらくすでに慣れ親しんだモチーフに近いものだったからだと思うのです。インドのブロックプリント布やインドネシア界隈のバティック柄、そして日本の着物柄で目にしていたものとの共通点を感じていたのでしょう。

「フランス」イコール「ヨーロッパ」。日本やアジア文化とは全くの別の異文化。(だからこそ憧れてしまう)そう思い込んでいたところを、文化の歴史や、裏側を少し知ることによって「そうではない」と実感することが出来ました。

かつて「アンディエンヌ」を見たときに、どこか懐かしい感じや、自然と落ち着く印象と安心感があったのは、すでに自分の中にある文化を感じていたからなのでしょうね。

文化交流の長い歴史上には、いろいろとあったのだろうと想像しますが、いい塩梅でミックスされた新しい文化が生まれ育つことも素晴らしいと思いませんか。もとの文化を尊重、継続しつつ新しく進化するものもまた、長い歴史を刻んで受け継がれ、魅力あるものとして愛されていく。アンディエンヌの歴史を知ってフランスのプリント布が、ますます魅力的に感じるようになりました。


伝統的なプロヴァンス柄で食卓やお部屋のイメージチェンジを


Maison de Provenceでは数々のプロヴァンスのプリント生地を使ったキッチンアイテムを取り扱っています。

その中でも今回は、どこか東方のオリエンタルなテイストが感じられる伝統的なプロヴァンス柄のラインナップをご紹介させていただきます。欧風な空間にはもちろん、和モダン、趣のある和風空間にも馴染みやすく取り入れやすいのではないでしょうか。

食卓の印象を明るくしてくれる、プロヴァンス柄でお部屋のイメージチェンジを楽しんでみましょう。ゴージャスにもカジュアルにも。さりげない日常からパーティーシーンまで、様々なスタイルで活用いただけることでしょう。
テーブルクロスは、四角形と円形のスタイルをご用意しております。また、汚れにも強い撥水加工が施されたものもありますので、用途に合わせてお選びくださいね。